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魔王様の寵愛
第2章 魔王様、溺愛する

一気に顔に熱が上がり、私は背中を丸めて蹲る。すると、背中にふぁさっと彼のジャケットらしきものがかけられた。恥ずかし···恥ずかしくて恥ずかしくて死にそう!!顔を上げられない。目ももう合わせられない。絶対全部見られた(辛うじてパンツは履いていたけれど)に違いない。じゃなければ、あんなに呆れた仕草見せないだろう。多分。
彼は私の前に膝を付き、私にこう言った。
「落ち込んでいる最中に申し訳ありませんが、あなたにはお体を清めて頂き、早急にジェイド様に抱かれて頂かなければなりません」
今、何かとんでもない言葉をさらりと聞いた気がする。
早急に、ジェイド様(多分あのイケメン金髪頭)に、抱いて頂かなければ···。抱いて?抱っこか?いや、何か雰囲気的にもっとヤラシイ感じの···つまりセッ!?
もう嫌!!なんなの急に!!訳わかんない!
「帰ります!服を返してくださいッッ!!」
「なりません。貴女はジェイド様の妃となる身。それにあの動きにくそうな服は捨てました」
何てこったァ!?
社会人の戦闘服が捨てられてしまった。
で、誰が妃だって!?冗談じゃない!こんなふざけた世界絶対に夢だ夢。一般の庶民の庶民の庶民に(大事な所なので3回言わせて頂いた)妃なんぞ務まるはずがない。
「貴女方、彼女を頼みましたよ。一刻を争います急いで!」
「はいっ!ブライト様···!!まぁ、こんなに瘴気にやられてしまって··おいたわしい···。さぁ、皆さん急ぎましょう!」
いつの間にか控えていた侍女さんらしきメイド服に包んだ方々に、腕を掴まれて無理矢理立たされた。先程から抱かれろだの瘴気だのよくわからないけれど、ただ1つだけ。鏡に写る私の体には、所々に紫色の痣が広がっていた。
「···、なんじゃこりゃ」
色々あり過ぎたせいなのか、頭のキャパが超えたのか。ただただ口から声が漏れた。

