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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間

「その写真、欲しいです」

正直、写真を撮られるのは嫌いだった。
嫌いというか友達もいないから写真を撮る機会もないから苦手と言った方がいいのかもしれない。
それでも課長が撮った私の写真は手元に残しておきたいと思うほど素敵で図々し事は承知でお願いした。
だけど、課長が返事をする前に桜子さんが楽しそうに口を開いていた。

「そうよね。光春くんが人を撮るなんて珍しいから欲しいわよね~~」

「そうなんですか?」

驚く私に桜子さんは面白そうに教えてくれる。

「この人ね。風景ばかり撮って人は取らないの。私も何度かお願いしたのに無理だって断るのよ。その光春くんが自分から進んで撮るなんて奇跡に近いんだから。なんで汐里ちゃんは撮ったんだろうねぇ~」

桜子さんは指で課長を突きながら課長を追い詰めていき、課長が嫌がっているのが分かってもやめようとはしない。

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