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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間
正直、課長と桜子さんの関係を私は知らない。
知っている事と言えば、課長がこの店の常連客で週末ごとにコーヒーを飲みに来ているという事と、店内に飾ってある四季折々の写真は課長が撮っている写真を飾っているのだと言うことだけだった。
だからこんなにも仲の良いところを見せつけられると、本当にそれだけなのかと勘ぐりモヤモヤしたものが心の中に渦巻いていた。
「藤の次は薔薇かなぁ~」
先ほどの寂しい表情と違って、桜子さんは楽しそうに課長に話しかけていた。
「そうですね。母の日のあたりが見頃だと思います。それが終われば紫陽花、向日葵と……毎年代わり映えしませんけど」
「でも、光春くんの写真は好きよ。同じ花でも毎年違う感じで撮ってきてくれる。それに、今年は今までで一番きれいに撮れるんじゃないのかしら?」
「何ですか?それ?」
「何って……秘密かな?」
楽しそうに笑う桜子さんに課長は首を竦めていた。
知っている事と言えば、課長がこの店の常連客で週末ごとにコーヒーを飲みに来ているという事と、店内に飾ってある四季折々の写真は課長が撮っている写真を飾っているのだと言うことだけだった。
だからこんなにも仲の良いところを見せつけられると、本当にそれだけなのかと勘ぐりモヤモヤしたものが心の中に渦巻いていた。
「藤の次は薔薇かなぁ~」
先ほどの寂しい表情と違って、桜子さんは楽しそうに課長に話しかけていた。
「そうですね。母の日のあたりが見頃だと思います。それが終われば紫陽花、向日葵と……毎年代わり映えしませんけど」
「でも、光春くんの写真は好きよ。同じ花でも毎年違う感じで撮ってきてくれる。それに、今年は今までで一番きれいに撮れるんじゃないのかしら?」
「何ですか?それ?」
「何って……秘密かな?」
楽しそうに笑う桜子さんに課長は首を竦めていた。