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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間
「それにしても雨がやみませんね」
課長の言う通り、朝から降り続けている雨が止む気配はない。
それどころかひどくなる一方で早めに帰った方がいいのかもしれないと思い始めていた。
「まぁ、小降りになった頃合いを見て帰るしかありませんね」
課長も私と同じことを考えていたようで、帰るタイミングを考えなくてよさそうだった。
「そういえば、あれからコーヒーは飲みましたか?」
「あっ、はい。あれから毎朝豆を挽いて飲むようになりました」
「だったら、あれでは作りにくくありませんか?毎朝飲むのなら簡易じゃない方が使いやすいと思いますよ」
課長が提案してくれた事は、ここ最近私が思っている事だった。
今では豆から挽いて飲むのが癖になり、朝食の時にコーヒーを飲む習慣ができ、毎日使っているとしっかりしとしている物が欲しいと思うようになっていた。
それを話すと、桜子さんが使いやすくお手頃な物を数点選んでくれ、その中から自分の手に馴染んだものを選んだ。