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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間

「雨でお客さんも来ないし、使い方と美味しいコーヒーの入れ方教えちゃおうかな」

おいでおいでと手招きをされカウンター内に入れてもらった私は、細かな注意点を聞きながら一番おいしい入れ方を教えてもった。
何も考えずにコーヒーを入れていたのは間違いで、ちょっとした心配りで普段とは違う事が一口飲んだだけで良くわかる。

「全然違いますね」

「お湯の注ぎ方や湿度や温度で変わってくるからね。焙煎方法でも深みが違ってくるし、初めは色々な豆を試して冒険するのもいいわね。汐里ちゃんが買った豆の種類は私の方で控えておくから自分の好みの豆を見つけるといいわね」

そこまでやってもらうのは悪いと思いながらも、プロの桜子さんから直々に教えてもらえるのは心強くてお願いすることにした。

「迷惑でなければ、よろしくお願いします」

「そんなにかしこまらないでいいわよ。妹ができたみたいで嬉しいのよ」

頭を下げる私に、桜子さんはそんな嬉しいことを言ってくれた。

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