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蕾は開き咲きほこる
第5章 楽しい時間

「そうよ。汐里ちゃんって生真面目でしょう?言われたことは忠実にこなして、頼まれたことは断れない。それどころか言われてもないのに相手が見やすいように工夫したりしている、仕事ではそんな感じじゃない?」

「……どうして、分かるんですか?」

今日で会うのは2度目なのに、私の性格を言い当てる桜子さんに驚いた。

「その性格がコーヒーの淹れ方に出てるのよ。教えた事を忠実に頭の中で思い浮かべながら淹れていたわよね。戸惑いながらも真剣に淹れる表情を見てたら私や光春くんに美味しいものを飲んでほしいって気持ちが伝ってきたの。だから優しい味にもなってるし、この優しい味を味わっていると仕事でも人の事を思いやって仕事をしているんだろうなって思えたの。違うかしら?光春くん」

急に話をふられた課長は、手に持っていたカップをカウンターに置きちらりと私に視線を向けた。
その視線に、何を言われるのかとドキドキする。

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