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蕾は開き咲きほこる
第6章 私の頑張り
「だから、デートじゃないですって」
「そうなの?デートじゃないの?でも殿方と出かけるんでしょ?それとも殿方って言っても私みたいな人で女友達感覚かしら?」
マリンさんは小指を立てながら軸足できれいにターンをして鏡越しにウィンクをして自分をアピールする。
「ちっ、違いますよ。課長は普通の男性です!」
普通というとマリンさんには悪い言い方になるけれど、課長の事を誤解してほしくなくて普通の人だと伝えた。
だけどマリンさんは気分を悪くするどころかノリノリにテンションが上がっていく。
「そうなの?普通の殿方なのね。で?どこで知り合ったの?どんな殿方なのぉ?教えなさいよ。これでも女心はそこら辺の女より分かるつもりよ」
だからお姉さんに話してみなさいよと、肩越しに頬を寄せてきたマリンさんは艶のある声で聴いてくる。
軽口の中にも私の事を心配してくれていることは嫌でも伝わり、マリンさんを安心させるために課長とのことを話す事にした。