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蕾は開き咲きほこる
第6章 私の頑張り

「やっぱり光春と悦子の事が気になるんだ」

課長たちを見ていた私の視線の前に、ひょいっと顔を傾けてきた彼にびっくりして手に持っていたコップを落として割った。

「あっ、ごっ、ごめんなさい」

慌てて床に膝をついて割れたコップを拾っていると、隣に座っていた男性も一緒になって拾い始めた。

「あっ、ありが、痛っ!!!!!」

ガラスの破片を拾っている手に彼の手が重なり、慌てて引っ込めようとした時に破片で指を切ってしまった。
その血がポタポタと床に落ちているのを青ざめてみている私に、彼は私の手を取っておしぼりで抑えてくれた。
この行為が親切心からだと分かっていても、私には恐怖でしかなく身体が震えて涙があふれてくる。

「えっ?そんなに痛かった?」

涙を流す私にオロオロする彼に頭を横に振って違うと示すことしかできなかった。
俯いたままでいると、頭の上から課長の冷静な声が降ってくる。

「その手を放してください」

「えっ?手?」

「そうです。後は私がやりますから」

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