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第6章 私の頑張り

私の横に座った課長は「違いますか？」と優しい眼差しで問いかける。

「でも！！かっ、変われたのは、課長や羽間さんの、おかげだから、ひとりだと、知らない人に囲まれると、怖くて、逃げ出したくなって……」

「それは当然でしょう」

「とっ、当然？」

私の言葉に課長はゆっくりと頷き、そして背中を優しく撫でながら諭すように言葉にする。

「人は急には変われません。今まで人と関わることが苦手だった坂上さんが数ヶ月で劇的に変われるはずがないんです。変わるということは今までの自分を、今まで培ってきた自分の人生を根底から覆すこと。それを容易にできる人なんてこの世にはいないんです。それでも変わりたければ少しずつ、自分のできることから変わるしかないんです。今は社内だけなのかもしれない。ですが、それでも坂上さんにとっては大きな第一歩ではないんですか？その第一歩を第二歩、第三歩と進んでいくことが変っていく、という事だと私は思いますよ」