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蕾は開き咲きほこる
第7章 気づかされる想い

「私ね、10年前に結婚したの。その主人の親友が光春くん。主人と光春くんは高校からの同級生で部活も同じ。同じ趣味を持つ者同士が意気投合するのに時間がかからなかった。言葉は無くても写真を見ればその人の人間性は分かるんだって言葉少ない光春くんが主人に心を開いてくれたらしいの。休みの度に自転車で遠くまで行っては写真を撮って中々充実した高校生活を送ったみたいね」

課長の高校時代。
小中学校の話は聞いたことあったけど、高校の時の話は社員旅行で少しだけ聞いただけであまり知らない。

「じゃあ、旅館の女将さん、えっと……」

「優子さん?」

私が名前を思い出そうとしていると察してくれた。

「そうです。彼女もご主人様も同級生でしたよね」

「良く知ってるわね。って社員旅行が優子さんの旅館だって言ってたわね。――あの世代って本当に仲が良かったのよ。私は光春くんたちが3年になった時に入学したから半年も一緒に部活はやれなかったけど本当に楽しかった」

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