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蕾は開き咲きほこる
第7章 気づかされる想い
「5年前、だったわね……その日は藤棚を見に行こうって3人で出かけたの。ものすごく天気が良くて、空が高かったのを覚えてる。写真を撮って手作りのお弁当を食べて楽しい一日だった。だけどね、私と主人が些細な事で喧嘩したの。本当にバカみたいなことに私が固執しちゃって売り言葉に買い言葉?怒りが収まらなかった私は電車で帰ると言って主人と光春くんを残して帰ってしまったの。そうするとね、光春くんは私を追ってくるのよね。だから私と光春くんは主人を残して帰ってしまった。そんな時でも光春くんは何も言わずに寄り添ってくれて、私の気持ちは段々と落ち着くの。それが分かってて主人は光春くんに私と帰るように言ってるんだけどね。落ち着けば私が悪かったって思って連絡入れたの。だけどその電話が一生、通じることはなかった。夜中になって知らない番号から連絡が入って……出てみると警察からだった。主人が、交通事故にあって病院に運ばれたって……慌てて病院に駆け付け時には主人は亡くなった後で……飲酒運転の車が暴走して事故に巻き込まれて……即死だったって言われたの」