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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で
「ほらっ、坂上さんも困ってるじゃないですか、桜子さんもこれ以上は変な事言わないでくださいね」
「変な事って……本当に光春くんって馬鹿なの?本当に呆れるんだけど??恋愛に年の差なんて関係ないのよ。年の差を感じるのは上の人だけ。下の子は年の差なんて関係ないんだから。年の差を理由に前に進めないのはふられた時の言い訳がほしいだけ――それにね、年の離れた人の方が一緒に居て落ち着くって思う人もいるのよ。ねぇ~汐里ちゃん」
私の気持ちを知っている桜子さんはウィンクを私に投げてくる。
課長のいる前で話をふられても肯定の言葉なんて言えないけど、課長が年齢を気にしているのなら気にしてほしくはない。
桜子さんの言う通り私にとって課長は一緒に居て落ち着く相手だし、こんなにもドキドキするのに毎週会うのが楽しみな人は他にはいない……
「ですから坂上さんが返答に困るような事言わないであげてください」
何も言えない私を庇ってくれる課長に桜子さんは脱力したように項垂れる。