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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で
入口のドアが開くと一気に冷気が流れ込み、外の寒さが身に染みた。

「夕方になると冷えますね」

「そうですね。陽が落ちるのも段々と早くなってきましたし、そろそろクリスマスの時期なんですね」

先週まではなかったイルミネーションが明かりを灯し、殺風景だった病院を明るく照らしていた。
それを遠くから眺め、今年最初のイルミネーションを課長と見ることができた。

「そういえば駅前のツリーも昨日から点灯したようですよ。食事のついでに見に行きませんか?」

「ニュースで見ました。クリスマスマーケットもやってるんですよね」

「そうみたいですね。では軽く食事をしてからクリスマスマーケットに行きましょうか」

「はい!クリスマスマーケット初めてなので楽しみです」

昨日ニュースで見たばかりの場所に行けるとは思わず、今日も課長と食事をして帰ることになった。
今日のようにお見舞いの帰りに食事をして帰ることもあり、これだけで満足な私が課長とデートだなんて贅沢な事だと、桜子さんの言葉を思い出していた。

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