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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で
「では食事の方はそれで、あと飲み物は……ビールよりシャンパンがいいですね。シャンパンで乾杯をした後はワインで、どうでしょうか?」
パタンとメニュー表を閉じた課長は、最後に飲み物の確認をする。
「えっ?課長、車はどうするんですか?」
「代行で帰りますから大丈夫ですよ。それに食事の後はクリスマスマーケットに行くんですから飲まないのは勿体ない」
でしょう?と笑った課長は運ばれてきたシャンパンを美味しそうに飲んでいた。
お酒が嫌いではない私も課長と同じペースで飲んでいると酔いが回るのも早く、酔ったせいもあり口調が砕けてくる。
「このワイン煮込み口の中でとろけちゃいます、ん~~美味しい!!」
メインの牛のワイン煮込みが出てきた時には、その美味しさと柔らかさに頬に手を当てながら感嘆な声をあげた。
「坂上さんは本当においしそうに食べますね。見ている私の方が幸せな気分になります」
私と違って酔いが回っていない課長は、ワイングラスをクルクルと回し優雅に口に運ぶ。
その姿を見ている私も心がポカポカと温かくなり幸せな気分になれる。