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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で

「ふふふっ、私も課長と一緒に食事ができて幸せです」

思っていることを言葉にすると、少し驚いた表情をした後、口元を片手で覆った。

「課長?」

「あっ、いえ、失礼。あまりにも嬉しい言葉だったので……坂上さんが幸せだと思ってくれるのであればお誘いした甲斐がありました」

そう言ってほほ笑む姿にドキッとして、課長の事を直視できなかった。
それでも話は尽きることなく続き、メインが終わる頃には店内が薄暗くなり、6時半丁度にイルミネーションに明かりが灯った。

「「「わぁ~~」」」

「わぁ~~!!凄いです。食事をしながらこんな風景を眺められるなんて!!素敵です!!」

店内からは一斉に感嘆な声があがり、私も例に漏れず隣に座っている課長の袖を握りしめて声を上げた。
今まで真っ暗で何もなかった場所がまるで宝石の様にキラキラと輝き、目の前にある料理の事も忘れるほど見入っていた。
だから、声をかけられるまで私も課長も気が付かなかった……

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