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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で

「申し訳ないけど、クリスマスマーケットは彼女と行く約束をしているので一緒に行けないんですよ。また近いうちに戻るのでその時にみんなで飲みましょう」

みんなと言う言葉を強調して課長はきっぱりと断ってくれたけど、簡単に引き下がる人ではない事は何となく分かっていた。

「……だったら一緒に行きましょうよ。3人で飲むのも楽しそうじゃない?」

ふたりがダメなら3人でと案の定食い下がってきけど、正直来てほしくない。
私と課長との空間に他の女性を入れたくなかったし、3人で行けばお互いにイヤな気分になるのは目に見えている。

「彼女に光春の会社での仕事ぶりなんて聞きたいし良いでしょ?ねっ、坂上さん、私も一緒してい――」

「あっ、あのっ、私は、課長と、ふたりで行きたいので、遠慮して、ください」

あまりにしつこい悦子さんに、自分でも信じられないほどしっかりと断ることができ、課長もダメ押しとばかりにはっきりと断ってくれた。

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