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蕾は開き咲きほこる
第8章 冬空の下で

「そうですね。ホットなので普通のワインより芳しい香りがしますね。お店でもかなり飲みましたが、これはこれでスっと飲め、調子に乗って飲みすぎると酔ってしまいそうですね――坂上さんは大丈夫ですか?帰り際に一気に2・3杯飲んでいましたが……」

「えっ?みっ、みっ、見てたんですか???」

まさかの言葉に、飲んでいたワインを吹き出しそうになった。

「席を立っても坂上さんが立ち上がる気配がしませんでしたからどうしたのかと……いや、違いますね。悦子が乱入して来て楽しかった雰囲気を壊してしまったので機嫌を悪くしてしまったんじゃないかと心配になって気にしていたんです。そうしたら手酌でワインを注いで一気飲み……それまでもかなり飲んでいたので慌てて止めに行ったんですよ」

課長は楽しそうに話すけど、あんな姿を見られていたと思うと恥ずかしくて手に持っているカップを両手で包んで視線を落とした。

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