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第8章 冬空の下で

課長の言葉で、もしかしたら私と同じ気持ちなんじゃないかと淡い期待が膨れあがる。

「だけど、ひとまわりも違う私の事を恋愛対象に見てくれる事はないだろうと諦めていました。だったら今のままでいい。一緒にでかけて食事をして、同じ趣味を持つ友人として付き合っていけたらと思って諦めていたんです。だから嬉しかった。酔った勢いでも悦子と飲みに行って欲しくない、一緒にいるのは自分だと我儘を言ってくれた言葉が……」

そこまで言葉にした課長は始めて私の方に視線を向けた。
そこには何かを決心したかのような強い眼差しが灯っていた。

「悦子に言った言葉……理想の女性が現れてつきあうことになった、という言葉はその場を取り繕うためだけの言葉ではありません。それは私の願望であり願いです。本来ならきちんとした場所で伝えたかったんですが……」

そこで一旦言葉を切った課長は、私の手を取り大きく深呼吸する。
そして……