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蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐
「か、課長……だ、大丈夫、です……」
「そんな風には見えませんが……それとも仕事が手につかないほど心配な事でもあるんですか」
「心配事なんて、そんなのは……」
ないとは言い切れなかった。
今でも課長の唇に視線が向いて邪な事を考えているし、朝からそればかりを考えているから仕事に手がつかない。
だけど、それを課長に相談するわけにもいかずに口を噤むことしかできなかった。
「とりあえず話をしましょうか――えっと……応接間が空いていますね。羽間くん、応接間にいますので何かあれば内線してください。坂上さん、行きますよ」
来客用の応接室の前に使用中の札がかかってないことを確認した課長は、私の背中を何度か叩いて応接室の方に歩き出した。
その後を慌てて追いかけていくと、課長はドアにかかっているプレートを使用中に変え私を先に入れた。
その後から入ってきた課長はドアのカギを閉め、課長の手が腰に回り、そのまま寄り添うようにしてソファーに座った。