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蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐

「汐里に触れて、昨日のような、激しい、キスをしたいと、思ったのは、私だけ?」

同僚の事は気になるけど、降ってくるようなキスに身体は正直に反応し欲しくなる。
電車の中で抱きしめられてから頭を離れなかった昨日のキス。
誰もいなければしてほしかったキス。
仕事をしていても頭から離れずミスするほど欲しかったキス。
ここは会社で、非常識なのはわかっているけど、この状況で我慢することはできない。

「汐里、無理強いはしたくないんです」

その一言で私の事を考えてくれていてくれたことが分かった。
私が怖がらないように……

「私も、キス、したかった」

目の前の課長の事しか考えられず、欲望のまま言葉にすると、課長は目を細めて笑い、啄むキスから昨日の夜のような激しいキスに変わった。
そのキスに溺れるかのようにふたり抱き合いキスをする。
隣からは電話の鳴る音、笑い声、いろいろな音が聞こえてくるけど、ここだけは切り離された空間のように静かに、そして淫らな世界が広がっていく――

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