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蕾は開き咲きほこる
第9章 キスの嵐
「私も、会いたかったです。こんなにも週明けが楽しみだったことありません」
毎週のように一緒に過ごしていた課長と会えなかった週末は、毎日電話で話をしても課長の温もりが感じられず寂しい思いをした。
こんなにも人恋しく感じたのは初めてで、何をするにも課長のことが頭に浮かび、今朝は課長と会える喜びで目が覚めた。
先週までと違い、電車の中で抱き合うこともできず、少し寂しく思っていたところに抱きしめられたのだから気持ちは高まり身体中が熱くなる。
「電車で一緒に通勤すると我慢できなくなるからと早く来てもらうことにしたんですが、結局は同じようですね。誰もいない場所で汐里とふたりっきりだと触れてキスをしたくなる――仕事中じゃないだけマシなのかもしれませんが……」
課長の腕の中でクルリと向きを替えられた私は、課長と向かい合わせになり、自然と唇を寄せた。
求めていたはずなのに、毎日のようにしていたキスも3日も間が空くとなんだか恥ずかしくて今までのようなキスができなかった。