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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス

「「退院おめでとう!!!桜子さん(ちゃん)」」
「えっ?えっ?何?どういうこと???」
厨房や机の間から顔を出す私たちに桜子さんは目を見開いて驚いていた。
サプライズは大成功と皆さんと目配せしていると、驚いて見開いていた目は次第に細くなり涙で顔が歪む。
「みんなぁ……」
「桜子ちゃん、退院おめでとう!」
最初に桜子さんに駆け寄って抱きついたのは知絵子さんだった。
その周りを皆さんが取り囲むと、光春さんはスッと場所を明け渡し私の横に立って後ろ側で指を絡めて握りあう。
「大成功みたいですね」
「はい。皆さんのおかげで準備も間に合いました……――それで、あのっ、皆さんに、私たちが付き合ってること、ばれちゃったんですが……」
桜子さんと皆さんの姿を眺めながら、準備をしている時の話をした。
「別に隠していたわけでもありませんから問題ありませんよ。桜子さんにも伝えないといけないんですけどね」
私たちの関係をどう説明するか決めていなかったからホッとした。

