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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス

「とりあえず始めましょうか、次の予定もありますし――皆さん、始めますよ、座ってください」
席に着こうとしない皆さんに声をかけると、皆さんが桜子さんを席まで案内してくれた。
テーブルの上に並ぶ料理を見て又も驚く桜子さん。
「桜子さん、一言どうぞ」
桜子さんは隣に座っている知絵子さんに手を借りて立ち上がり挨拶をする。
「今日は本当にありがとう。まさかこんな事になってるなって知らなくて、皆さんに会えるのもまだ先かなって思ってたのでとても嬉しいです。それに、こんな風に退院を祝ってもらえて幸せ者だと思います。店の方は無理のない程度に開けるので顔を出してもらえたら嬉しいです――ということで乾杯!!」
「「「乾杯」」」
いつもの桜子さんの笑顔で乾杯をし、楽しい時間が始まった。
今日は机を中央に集めて円卓のようし、皆さんの顔が見えるように配置した。
私も含め8人だから話すにはちょうどいい人数で、桜子さんを中心にビールと手作りの料理で会話に花が咲く。

