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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス

「でも、本当にこんな風に集まってくれてるとは思わなかった」
「これね。汐里ちゃんのアイディアなの。桜子ちゃんの退院が決まったのでお祝いをしませんかってLINEをもらってね。飾りつけや料理の案も考えてくれて、汐里ちゃんを中心に準備したの。このおかげで汐里ちゃんともいっぱい話せて仲良くなれたのよ」
「それは言えてるな。一緒にコーヒーを飲むことがあっても俺たちの話を聞いてるだけのことが多かったけど今回はいろいろと喋ったもんな」
「そう……汐里ちゃんが中心に、なんだかうれしい」
今日のお祝いの経緯を話す皆さんの話を聞いて、桜子さんはしみじみとしていた。
いつも常連客と話す時、私が輪の中に入りやすいように気を使ってくれていた桜子さん。
徐々に慣れていったと言っても、光春さんや桜子さんみたいに喋れなかった。
それがここ一週間は準備のために色々と話し、皆さんが言う通り仲良くなれた気がしていた。

