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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス

「そうよね。気になるわよね」
「気にならないほうがおかしいって」
「この前まで課長呼びだったのにな」
どうなの?と詰め寄られても返事ができなくて光春さんに視線を向けると、光春さんの手がポンと頭の上のせられて引き寄せられた。
「こういうことですよ。なので名前呼びです。ちなみに私も汐里と名前呼びですよ」
「えっ?えっ――!!いつからなの???聞いてないわよ」
何も知らない桜子さんだけが驚き大きな声を上げて困惑していた。
「そうですね……3週間前ぐらいからですね。聞かれもしなかったので言わなかっただけですよ」
光春さんはからかうようにわざとらしく答えると、桜子さんはムキになって光春さんに食い掛る。
「聞かれなかったって……あれだけ後押ししてあげたじゃない。さっきだって心配してあげたのに……一番先に教えるべきでしょう」
「それはそうですけどね。でも、あれはあからさま過ぎましたよ。汐里なんて完全に引いていましたからね。でも、まぁ、桜子さんのお節介も無駄にはならなかったってことですよ」
「はぁ?何、その言い方、むかつく~~」

