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蕾は開き咲きほこる
第10章 クリスマス

「桜子さんが喜んでくれてよかったですね」
「そうですね。慣れ親しんだ家の方が心安らぐんでしょう。それに常連の皆さんも集まってくれてましたからより嬉しかったんだと思いますよ。それにしてもあそこまで盛り上がるとは思いませんでしたね」
「はい。まさか用意していた料理やお酒が無くなるとは思いませんでした。桜子さん、かなりお酒に強いんですね」
「そうですね、ですけど、あれでまもセーブしてる方なんですよ」
「ええええ??」
お互いに、桜子さんのお店で過ごした時間を思い出して笑った。
それほどまでに楽しい時間で、お店を出る時は少し寂しく感じる程だった……
食べて飲んで大いに笑った宴も夕方まで続き、まだまだ続きそうな雰囲気の中で私と光春さんは後ろ髪を引かれる思いで店を出た。
肌寒い中向かったのは光春さんが予約をしてくれていた夜景の綺麗なバー。
桜子さんの退院が決まるまではクリスマスディナーをする予定だったけど、退院祝いをする事が決まればお店で食べるだろうからと雰囲気の良いバーを予約してくれた。

