パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 イブの奇跡

私のために末弘さんとの約束を反故にしてくれた光春さん。
本当だったら桜子さんの傍に居て力になってあげたいのに、私を優先するために自分の中で折り合いをつけてくれた。
それによって、光春さんに寂しい思いをさせてしまった。
そこまでしてくれる価値が私にはあるのだろうかと考える。
私はいつも光春さんに迷惑ばかりかけている。
男性が苦手な私と付き合うことは色々な場面で面倒だと思うこともあるはずなのに、そんな事は顔には出さずに気遣ってくれる。
仕事が忙しくて疲れているはずなのに朝早くに迎えにきてくれたりもした。
昨日の事だって、半分は私が常連客の皆さんと仲良くなるために考えてくれての事だと分かっている。
そんな光春さんに甘えて私は何もしてこなかった。
ただ光春さんに守られるばかりで、私から何かをしようとしたことはない。
こんなに私の事を大事にしてくれてるのに、こんなに優しくしてくれているのに……私は何一つ返せてはいない。