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蕾は開き咲きほこる
第11章 イブの奇跡
――こんな私とつきあうより他にもっと良い人が……
桜子さんみたいな人とつきあえば光春さんも楽だったかもしれないと、自分に自信がない私は消極的なことばかりを考える。
だけど、私以外の人とつきあう光春さんを想像するだけで胸が締め付けられるほど苦しい。
今まで私にしてくれていた事を他の女性にするのかと思うと、絶対に誰にも渡したくないと、想像しただけの女性に嫌悪感を抱き嫉妬する。
個人的につきあうようになって一年も経ってはいない。
おつきあいが始まって数週間しか経っていない。
それなのに私はこんなにも光春さんの事が好きで、光春さんの事を……
「愛している……」
言葉にするとより一層愛しさが増してくる。
心の器からこぼれんばかりの溢れる愛おしさに、眠っている光春さんにキスをしていた。
唇から伝わる光春さんの唇にドキドキしながら、私のこの気持ちが伝わればいいと、願いを込めながらのキスだった。