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蕾は開き咲きほこる
第2章 本来の私

考えても仕方がないと仕事に取りかかり、終電前に終わらせたいと仕事に集中した。
集中していれば人が入ってきたことにも気が付かなかった。
「今日はノー残業デーですが申請はしてるんですか?」
頭の上から降ってきた声に驚いて顔をあげると、メガネの淵に指をあて眉間に皺を寄せている杉澤課長が立っていた。
あまりの近さに驚いて立ちあがれば、ますます近くなる距離。
青ざめる私と違い、課長は眉間の皺を解くことなく机の上にある書類に目を向けた。
「それは水木くんの仕事ですね。――で?彼はどこに」
課長は室内を見渡し、水木さんがいないことを確認して私に問い詰める。
「あっ、えっと、彼は……帰ったと、思います」
私は課長から距離を取りながら水木さんが帰ったこと告げると、眉間の皺が一層深くなった。
「自分の仕事を同僚に押し付けて帰るとは良い身分ですね。――とりあえずキミは帰りなさい」
課長は書類をトントンと揃えクリップで止めながら私に告げ、そのまま自分の席についてノートパソコンを開いていた。
集中していれば人が入ってきたことにも気が付かなかった。
「今日はノー残業デーですが申請はしてるんですか?」
頭の上から降ってきた声に驚いて顔をあげると、メガネの淵に指をあて眉間に皺を寄せている杉澤課長が立っていた。
あまりの近さに驚いて立ちあがれば、ますます近くなる距離。
青ざめる私と違い、課長は眉間の皺を解くことなく机の上にある書類に目を向けた。
「それは水木くんの仕事ですね。――で?彼はどこに」
課長は室内を見渡し、水木さんがいないことを確認して私に問い詰める。
「あっ、えっと、彼は……帰ったと、思います」
私は課長から距離を取りながら水木さんが帰ったこと告げると、眉間の皺が一層深くなった。
「自分の仕事を同僚に押し付けて帰るとは良い身分ですね。――とりあえずキミは帰りなさい」
課長は書類をトントンと揃えクリップで止めながら私に告げ、そのまま自分の席についてノートパソコンを開いていた。

