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蕾は開き咲きほこる
第2章 本来の私
次の日、残してきた仕事が気になり早めに会社に行くと、いつもはぎりぎりにしか出社しない水木さんが仕事を始めていた。
遠くから覗けば、それは私が頼まれた仕事で課長に取り上げられた仕事だった。
「あっ、あのっ、それっ」
声をかけると、一瞬私のほうに視線を向け、そしてパソコンに視線を戻して仕事の続きを始めた。
「ごめんなさい。昨日やってたら課長が戻られて、それで、あのっ」
カタカタカタとキーボードを打つ音が響く中声をかけると、水木さんは舌打ちをしてガタンとひと際大きな音を立ててエンターキーを押して手の動きを止めた。
「本当にごめんなさい。それで、あのっ、何か手伝うことありますか?」
「見てわかんない?」
いつにもまして低い声に怖くなる。
「えっと、あのっ」
「うっとおしいんだよ。邪魔だから席に戻れ、俺にかまうな」
最後にはガンと机を蹴る音が響き、怖くなった私は逃げるように自分の席に戻った。
その時に私の背中に心無い言葉が届く。
「使えない女」
その言葉に涙が滲んだ――……
遠くから覗けば、それは私が頼まれた仕事で課長に取り上げられた仕事だった。
「あっ、あのっ、それっ」
声をかけると、一瞬私のほうに視線を向け、そしてパソコンに視線を戻して仕事の続きを始めた。
「ごめんなさい。昨日やってたら課長が戻られて、それで、あのっ」
カタカタカタとキーボードを打つ音が響く中声をかけると、水木さんは舌打ちをしてガタンとひと際大きな音を立ててエンターキーを押して手の動きを止めた。
「本当にごめんなさい。それで、あのっ、何か手伝うことありますか?」
「見てわかんない?」
いつにもまして低い声に怖くなる。
「えっと、あのっ」
「うっとおしいんだよ。邪魔だから席に戻れ、俺にかまうな」
最後にはガンと机を蹴る音が響き、怖くなった私は逃げるように自分の席に戻った。
その時に私の背中に心無い言葉が届く。
「使えない女」
その言葉に涙が滲んだ――……