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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人

「さっきは真剣にお参りしてましたけど、何をお願いしていたんですか?」

暖かな甘酒を焚火の前で飲みながら聞くと、光春さんは笑う。

「口に出したら叶わないといいますから秘密です」

秘密だと言われると気になってしょうがない。
だけど、叶わなくなるから秘密だと言われると、これ以上は聞けなかった。
少し不貞腐れると、そんな私を見て光春さんは目を細めてフッと笑う。

「そんな顔をしないでください。お願いした事が叶わなくなるのは私にとって避けたい事なので口が裂けても言えません。が……汐里と同じような事だと思いますよ」

「私と同じ?」

「ええ。汐里と過ごす初めてのお正月ですからね。お願いすることは汐里の事以外ありませんよ。ですから叶わなくなるのが嫌なのでヒントはここまで、正解は秘密です」

子供の用に秘密と連呼する光春さん。
私と同じお願い事だったら叶わなくなるのは嫌だと思い、それ以上の追及はやめた。

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