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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
「あ、あっ、あの、おふたりは、付き合ってるんですか?」
どうしても聞きたくて意を決して聞けば、ふたりは顔を見合わせてアイコンタクトをするかのように微笑んで私たちに視線を戻した。
そして……
「うん。そうなの。少し前からつきあいだしたの」
その言葉は想定内で、何かにつけて桜子さんを見守る長野さんの眼差しが印象的だったし、桜子さんも幸せそうで私のテンションが一気に上がった。
「やっぱり!桜子さんと長野さんお似合いです」
これで光春さんもホッとしたんじゃないかと隣にいる光春さんに視線を向けると、眉間に皺を寄せメガネの淵を人差し指で上げながら、私たちとは明らかに違う温度差で口を開いた。
「私は何も聞いていませんが?」
一瞬にして、その場が凍り付いてしまったような感じがしたけど、桜子さんは気が付かないかのようにあっけらかんと言葉を返した
「そりゃあそうよ。言ってないんだもん」
その一言に、背筋がゾワッとするほどの眼光で桜子さんを睨みつけた。