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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
光春さんは桜子さんの言葉に返事をしないまま飲みかけの日本酒をグイッと飲み干した。
その表情からは何も読み取れなかったけど、自分の中で折り合いをつけているんだろうなと漠然と感じた。
それは桜子さんも同じようで、少し困ったような表情をしながら光春さんの空になったお猪口にお酒を注いでいた。
それは無言のやりとりだったけど、ふたりにしか分からない言葉を交わしているように見えた。
「光春くん!」
それが何杯続いただろう。
5合瓶のお酒が空になった頃、長野さんが光春さんの名前を呼び、胡坐をかいていた足を正して背筋を伸ばした。
何かを感じ取ったのか、光春さんもお猪口をテーブルの上に置いて背筋をただした。
私と桜子さんだけが意味が分からず、二人の姿を見守ることしかできなかった。
その表情からは何も読み取れなかったけど、自分の中で折り合いをつけているんだろうなと漠然と感じた。
それは桜子さんも同じようで、少し困ったような表情をしながら光春さんの空になったお猪口にお酒を注いでいた。
それは無言のやりとりだったけど、ふたりにしか分からない言葉を交わしているように見えた。
「光春くん!」
それが何杯続いただろう。
5合瓶のお酒が空になった頃、長野さんが光春さんの名前を呼び、胡坐をかいていた足を正して背筋を伸ばした。
何かを感じ取ったのか、光春さんもお猪口をテーブルの上に置いて背筋をただした。
私と桜子さんだけが意味が分からず、二人の姿を見守ることしかできなかった。