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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
頑なに譲らない長野さんに光春さんは苦笑い。
だけど、長野さんの気持ちもわからないわけではない。
ふたりの関係を嫌というほど知っているから光春さんに許してもらいたい。
光春さんに祝福されて桜子さんを幸せにしたい。
そう思っているのがヒシヒシと伝わってくる。
私は光春さんの手に自分の手を重ね、私に視線を向けた光春さんに小さく頷いた。

「光春さん、私たちは桜子さんから背中を押してもらいました。次は光春さんの番じゃないんですか?」

私の言葉に少し考えこんだ光春さんは、重ねていた私の手を握り締めて言葉にする。

「本当に、私の許可なんて必要ないんですよ。ですが……長野さんの誠実さは知っているつもりです。そんな長野さんなら安心して桜子さんの事を任せられます。桜子さんの事、幸せにしてあげてください」

「光春くん……」

光春さんの言葉に桜子さんはボロボロと涙をこぼし、そんな桜子さんを長野さんは胸に引き寄せ抱きしめていた。
そんなふたりを見守って、私たちはお互いに顔を見合わせ微笑んだ。

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