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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人
それからは今までの湿っぽい雰囲気が嘘のように楽しい時間を過ごすことができた。
私の知らない昔の話で盛り上がり、長野さんの桜子さんへの愛情の深さを聞かされ、それに対抗するように光春さんも私への愛情の深さを語っていた。
その横で私と桜子さんは顔を真っ赤にしながら耳を塞いだのは言うまでもない。
空になった日本酒の便が1本2本と増えていき、最初にダウンしたのは長野さんで、そのすぐ後に光春さんまで酔いつぶれてしまった。

「これは泊まり決定ね。隣に布団を敷くから泊まっていってね」

隣の部屋の客間に布団を敷いてもらい、そこに光春さんを寝かせてリビングに戻ると桜子さんがコーヒーを煎れてくれていた。

「汐里ちゃんもこっちがいいでしょ?」

「はい。ありがとうございます」

酔いが回った身体には、ほろ苦いコーヒーが落ち着く。
桜子さんとふたりでコーヒーを飲みながら、先程とは違う静かな時間を過ごした。

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