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蕾は開き咲きほこる
第13章 友人

「今日は楽しかったわ。祥があんな事を言い出すとは思わなかったけど」

傍で眠っている祥さんの頭を撫でながらやさしい笑みをこぼす。

「私もびっくりしましたけど……だけど、長野さんが本当に桜子さんの事が好きなんだなって伝わりました。長野さんの気持ち気が付かなくて驚きましたけど」

「誰も気が付かないわよ。私だって気が付かなかったぐらいだもの。――祥は主人が亡くなる前からの常連さんだったのよ。亡くなった後も変わらず傍にいれてくれたひとり。だから、それが恋愛感情だなんて気が付きもしなかった。傍にいるのが当たり前すぎて気にもしなかったのよね。それが、汐里ちゃんが現れて色々なことが変わり始めた……止まっていた時間が動き出したって言うのかな?留まっていた場所から抜け出そうとした光春くん。それを見て動いた祥。それを受け止めた私。汐里ちゃんがいなければ、私は祥の気持ちも分からないまま時間を無駄にしていたと思うのよ。だから、ありがとうね。私たちを救ってくれて」

「私は何も……」

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