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蕾は開き咲きほこる
第2章 本来の私
「我々は仲間です。できない事を手伝ってもらうのは当然です。ですが、押し付けて自分たちは素知らぬ顔をして飲みに行き、出来てなければ心無い言葉を投げつける。その言葉を聞いた坂上さんはどう感じるか、考えたことがありますか?それにそんなことで大きなプロジェクトが上手く行くと思いますか?もう少し、人の気持ちを考えて行動しなさい」
課長は、この話は終わりだと言わんばかりに視線をパソコンに落として仕事を始めた。
私もそれに見習って自分の仕事を始めると、集まっていた同僚たちも自分の席に戻り何事もなかったかのように仕事を始めた。
水木さんも課長に一言謝ってから自分の席に戻って行った。
それから1時間、コトンと机の上に缶コーヒーが置かれ、驚いて顔を上げると水木さんが仏頂面をして立っていた。
「みっ、水木さん?」
「まぁ、なんだ、今朝は……悪かった。それに、仕事も押し付けて悪かった……」
頬をポリポリと掻きながら照れたように謝る水木さん。