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蕾は開き咲きほこる
第15章 私に出来る事
『合鍵を渡したからと言って毎日家で会えるわけでもありませんから、今までと同じように、この時間だけが汐里と触れ合える唯一の時間になりそうですね。ですが、キスをすると我慢できなくなりますから社内でキスをするのも考え物です』
眉間に皺を寄せ苦笑いしながら固くなった男の証を押し付けてくる。
昨日、あれだけ愛し合っても触れ合えば身体全体で感じるし熱を帯びて愛されたくなる。
だからと言ってキスをしないという選択肢は私にも光春さんにもなかった。
『つらい……ですよね』
『男の習性ですから気にしないでください。時間が経てばおさまりますし大丈夫ですよ』
そんな事を言われても、毎日のことだから申し訳ない気持ちになり、どうすれば光春さんを楽にすることができるのか色々と考え、あることを実行する事を決めた。
それは寒かった冬が終わり、桜の蕾がぷっくりと膨らみ始めた、暖かくなった朝だった。