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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲

『最近、コーヒーにはまっちゃって……家でも毎日淹れてるんです、豆を挽いて』

『へぇ~、豆から挽いてるんだ。それだけ好きだから上手くなるんだね』

『そうなんです!!趣味っていう趣味がなかったので今はコーヒーを淹れるのが楽しいんです』

力が入って声を張り上げてしまった私を羽間さんは笑う。

『そんなに力説して、本当に好きなんだ』

『あっ、いえ……ごめんなさい』

声を張り上げたことに気が付いて恥ずかしくなる私に羽間さんはいつものように優しくしてくれる。

『なんで謝るの?褒めてるんだよ。好きな事があるって幸せじゃん。嫌な事があっても好きな事に触れてると自然と気持ちが上向いてさ。嫌な事も忘れちゃう。俺にとってはバイクなんだけど、坂上さんにとってはそれがこれなんだね』

そう言った羽間さんはコーヒーを飲み干し『ごちそうさん』と言ってテーブルに置いた。
それから色々な話をする中で課長の話になった。

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