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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
『そう言えば、最近の課長、変わったと思わない?』
『……そうですか?変わりました?』
光春さんの名前が出てドキッとしたけど、私は素知らぬ顔をして話を合わせた。
『坂上さんは気が付かない?優しくなったっていうか……前から優しくはあったけど、人に対して冷めているっていうかそんな感じがしてたんだけど、最近の課長は人間味が出てきたっていうのかな。今までは雑談なんてできるような人じゃなかったのに、今では雑談するし、さっきなんて俺の取った写真見て笑ったんだよ』
羽間さんの言葉を聞いて、彼の言いたいことが何となく分かった。
ここ最近の光春さんは社内でも穏やかな表情をするようになり、他の社員と雑談をする姿を見る機会も増えた。
もちろん仕事に関しては一切妥協を許さないし、間違ったことがあれば上司でも部下でもはっきりと物を言うところは変わることはないけど、近寄りがたかったイメージが薄れているのは気が付いていた。