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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
『そう、ですね。話やすくはなったと思いますね』
『でしょう!!それで、俺思ったんだけどさ――絶対、彼女ができたんだと思うんだよね』
羽間さんは応接室の方に視線を向けてニヤリと笑った。
だけど、その言葉に私は笑えなくて、バレていないから素知らぬふりをすればいいのに『課長の彼女』というワードに動揺を隠せなかった。
『えっ?あっ、かっ、彼女、ですか?』
『そうそう。だから雰囲気が変わったのかなって――って何?その慌てよう。もしかして坂上さんって……』
あまりにも動揺する私を見て羽間さんは何かを探るように私の事をジッと見てくる。
その眼差しを受けながら、何を言われるのかドキドキしながら待った。
たった数秒のはずなのにやけに長く感じ、知らず知らずにうちに胸のあたりのシャツを握りしめてゴクリと喉を鳴らしていた。
だけど、返ってきたのは私が思っていたような言葉ではなかった。