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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
『課長のこと狙ってた、とか??』
『へっ??』
緊張がマックスに達していたのに、羽間さんの言葉は間が抜けるような言葉で、変な声を上げてしまった。
そんな私を見て羽間さんは声をあげて笑う。
『何、その顔。それにやけに緊張したような顔してるし何を言われると思ったわけ?』
『えっ、あっ、いえ、私は何もっ……』
墓穴を掘ってしまったと慌てれば慌てるほど羽間さんは私を見て笑う。
ケラケラとお腹を抱えて笑う羽間さんを見ていると、この一連の会話が冗談だと分かった。
『もう、笑わないでください。こういう会話苦手なんですから!!』
少し頬を膨らませて抗議をすると、羽間さん『ごめんごめん』と笑いながら謝り私の頭を撫でてくる。
以前だったら身体が硬直して青ざめていたけど今は大丈夫。
自分から触る分には大丈夫だと分かった時から羽間さんが少しずつ距離を縮めてくれ、それに倣うかのように同僚たちも距離を縮めてくれたからある程度の人とは普通の距離が取れるようになっていた。