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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
『だから、それアウトだろうって』
私の頭を撫でている羽間さんの手を振り払ったのは水木さんだった。
私の事をやたらと触りたがる羽間さんを宥める水木さんもいつもの事。
『だって~坂上さんってかわいいじゃん?妹みたいでからかいたくなるんだもん』
『そうだとしてもダメだろう。本当の妹じゃないんだから。坂上さんに訴えらえれた終わりだぜ』
『え~~~ダメなの??』
子供のように拗ねる羽間さんを宥める水木さんの姿は兄弟のようで、見ていると自然と心が和んでくる。
『また羽間が何かやったのか』
ぞろぞろと出勤してくる同僚も、ふたりのやりとりを見て話しに加わってきて輪ができ始めていた。
その中に私も入っているというのが不思議で、だけど、あれだけ苦痛だと思っていた人との関わり合いも今では心地が良い。
みんなと楽しく話していると、いつの間にか応接室からできていた光春さんが声をかけてきた。