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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
『楽しそうな声が聞こえてきてましたけど、何か楽しいことでもあったんですか?』
輪の中に入ってきた光春さんにそれぞれが挨拶をすると、水木さんが羽間さんの頭を叩いて事の次第を説明した。
『おはようございます、課長。それが……羽間がセクハラ紛いなことを坂上さんにやってたので叱ってたところです』
『だから違うって。妹みたいにかわいいからちょっかいだしたくなるだけだって』
『だからそれがダメなんだって言ってるんだろう。なんで分かんないんだよ』
ふたりは光春さんがいるのも忘れて言い合いをはじめ、光春さんは大きなため息をついた後に、パンパンと両手を叩いて二人の言い合いを止めさせた。
『そこまでですよ。羽間くん。キミが良くても相手が不快に思うのであればそれはれっきとしたセクハラですよ。問題になる前にやめないさい。――そろそろ仕事の始まる時間ですから席に戻りない』
いつものように静かな声にそれぞれが自分の席に戻り、その日の仕事が始まった。