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蕾は開き咲きほこる
第17章 独占欲
それからと言うもの、平日の夜に会えない日が続いた時にはこの場所で身体を重ねるようなった。
いつ誰が来るかわからない場所だからゆっくりはできないけど、お互いに寂しさを埋めるのにはちょうど良い場所と時間となっていた。
だから光春さんから資料室での仕事を頼まれると浮足立って資料室に向かい、光春さんがやってくるのを今か今かと待つ私がいた。
いつ、誰か来るか分からない資料室というのに……

「そろそろ戻らなきゃ」

あまり長居をして変に思われても困ると思い、身体の熱が少し引けば頼まれた資料を見つけ出してフロアーに戻った。
光春さんは忙しそうに仕事をしていて、頼まれた資料を渡すときは上司と部下という感じで素っ気ない。
社内にいる時はこれが普通だと分かっているのに、数十分前まで愛されていたと思うと寂しさが広がった。
そんな私の気持ちが伝わったのか、戻りかけた私に声をかけて有名店のチョコレートを手渡された。
その瞬間に手と手が触れて光春さんの手のぬくもりを感じた。

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