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蕾は開き咲きほこる
第18章 デート
「これも問題ないでしょう、それより、口元にクリームがついていますよ」
「えっ?嘘っ」
光春さんの言葉に顔をあげると、そのままチュッと口の端にキスをされた。
「結構甘いですね」
驚いている私と違って光春さんは楽しそうに笑う。
「みっ、光春さん!!こんな所で!!」
「このくらいは許容範囲ですよ。他を見てください。ほらっ、あそこを」
光春さんの視線を追ってみると、一番奥の席に座っている男女が顔を寄せ合ってキスをしていた。
彼女の方は恥ずかしそうに顔を赤らめていたけど、何度も繰り返されるキスを拒むことはない。
「あの人たちは死角を知っているようですね。このテラス以外からは見えないですから」
その視線の先には木木漏れ日で逆行になって見えにくくはなっているけど、目を凝らせばよく分かる。
抱き合いながらキスをする男女の姿が……
「この場所であのようなキスはできませんが……ああいうのを見ていると汐里とキスがしたくなりますね。そう思いませんか?」