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蕾は開き咲きほこる
第18章 デート
正直、私もキスをしてほしいとは思う。
思うけど人のいる場所でキスをする勇気はない。

「人の目――っ!!」

人の目があるから無理だと言おうと視線を戻した瞬間、その口は塞がれて何も話せなくなった。
人がいるのにと拒もうとしても、光春さんの舌が私の舌を捉えて離さない。
撫でられる舌に、絡められる舌。
恥ずかしいはずなのに、舌から伝わる快楽に自然と舌が伸びて絡め返していて、唇が離れた時には寂しさを感じた。

「このままマンションに帰りたいところですが、今日は普通にデートを楽しみましょう。この続きは帰ってからですよ」

光春さんの言葉に寂しさを感じたけれど、こんな風にでかけるのもデートをするのも初めてだったから熱くなりかけた身体に気が付かないふりをしてデートの続きを楽しんだ。
手を繋いで川沿いを歩き、このあたりで有名なイチョウ並木も手を繋いで歩いた。
そこではお互いのスマホで写真を撮り、イチョウ並木の中央でふたり寄り添った写真も撮ってもらった。

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