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蕾は開き咲きほこる
第18章 デート

「凄いですね。地面に伸びた影を写真で撮るなんて、それも一面に落ちたイチョウの上に伸びた影……素敵です!!」
そう。
光春さんが撮った写真は私たちの影だった。
イチョウにより埋め尽くされた黄金の上に伸びる私たちの影は、顔が分からなくても恋人同士だと分かる素敵な写真になっていた。
「喜んでいただけてなによりです。さすがにふたり同じ待ち受けはバレてしまいますので汐里が使ってください。私はそうですね……」
少し考えていた光春さんは何かを思いついたのか、私の指を絡めとり天高く上げた。
それを写真におさめ見せてくれる。
「これも私たちとは分からないですが恋人同士には見えでしょう」
私たちの繋いだ手の先には黄金に輝くイチョウの木と、そのイチョウの木を輝かせる太陽と雲一つない空。
「私たちにしか分からない写真ですね」
「そういう事です」
お揃いの待ち受け画面にはできなかったけど、これはこれで嬉しくて、その場で待ち受け画面にした。

