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第19章 おしおき

「何々？何の話？」

「あっ、すいません、勝手に座って」

「いいっていいって、それより何の話をしてたの？」

慌てて立ち上がろうとする花房さんを止め、羽間さんは自分の机の上に座り、それを見届けた花房さんはそのまま話を続けた。

「待ち受け画面の話をしてたんですよ」

「ああ、坂上さんの待ち受けいいよね。俺も見習ってさ、ほらっ」

羽間さんはポケットからスマホを取り出して待ち受け画面を私たちの方に向けて見せてくれた。
それは紅葉をバイクで見に行った時の写真で、私たちが盛り上がっていた待ち受けとは違った。

「羽間さん遅れてますよ。今の流行はこれです」

今まで私に見せていた待ち受け画面を羽間さんに向けたると羽間さんはその待ち受けを見てケタケタと笑う。

「何？それ！間違って撮れたやつじゃん」

何も知らなければそう思うのも仕方がないと思う。
思うけど、恋人との大切な写真を間違って撮れた写真だと笑われたら良い気はしない。
私がそう思うのだから花房さんが気分を害するのは当然だった。