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蕾は開き咲きほこる
第19章 おしおき

「何を思い出して笑ってるんですか?」

「えっ?あっ、……普段見ることのない姿だったなって思って」

思っている事を正直に話すと光春さんは面白くなさそうな表情をする。

「本当ですよ。、詰め寄られるのは初めてですよ。ですが、私に彼女がいたぐらいでどうして大騒ぎするんでしょうね」

はぁ~と大きなため息をつく光春さんは、自分がどれだけ人気があって慕われているか分かっていない。
普段は不愛想で誤解をされやすい人だけど、長年一緒に働いていれば光春さんの誠実で真面目な性格は分かるし、そうなれば自然と慕うようになる。

「彼女がいないと言えばだったらどうしてあの写真を待ち受けにしてるのか、いると言えば相手は誰かと詮索してくる……正直、お昼に声をかけなければよかったと後悔しましたよ」

本当にうんざりだというような表情をして私の肩に頭を乗せて甘えてきた。

「お疲れさまでした」

普段はあまり見せない甘えた姿が可愛くて、自然と腕が伸びて光春さんの頭を撫でていた。

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